メルペイとは何か/設定と利用方法
メルペイとは?
メルペイは、フリマアプリ「メルカリ」内で提供されるスマホ決済サービスで、メルペイ残高・ポイント(売上金から充当可)とメルペイのあと払いをネット決済で利用できる。2025年8月25日、メルペイのネット決済がAmazonのID決済「Amazon Pay」の支払い方法として全ユーザーに開放された(8月中旬から段階拡大)。これにより、Amazonアカウントで外部ECサイトの決済に進む際、支払い手段としてメルペイ残高/ポイント、または「あと払い」を選択できるようになった。コード決済事業者のサービスがAmazon Payに対応するのはメルペイが初。
利用開始までの設定(購入者側)
1、Amazonアカウントの「お客様の支払い方法」で「+追加」をタップし、「メルペイを追加」を選択して、メルカリアプリ側で連携を完了してください(本人確認が必要な場合があります)。連携後、Amazon Pay対応サイトの決済画面でメルペイを支払い方法として選択できる。
2、対応範囲は「Amazon.co.jp 以外の10万サイト以上(2025年5月時点)」(情報源:prtimes)とされるが、定期購入や一部サイトは非対応。決済画面にメルペイが表示されない場合は対象外である。
メルペイが Amazon Pay に対応した影響と意義
ウォレット互通による可処分資金の“解放”
メルカリで得た売上金(残高)・ポイントを、そのままAmazon Pay導入サイトでの決済に使えるようになった。これにより、引き出し→再チャージといった摩擦を介さず、C2Cで発生した資金がB2C・直販ECへスムーズに流入する。若年層・フリマ利用者の決済完了率向上が期待される。
Amazon Payの“日本化”を一段進める一手
Amazon Payは、住所・配送情報・保証(Amazonマーケットプレイス保証)までアカウント一体型の体験を提供してきたが、ここに国内モバイル決済の嗜好(メルペイ)が組み合わさることで、ワンクリック同等のUI×本地化された支払いという強いコンビネーションを形成する。ID決済×外部ウォレットの補完関係は、モバイル導線のCVR押し上げに資する。
運用ルールの差異を明文化(事業者・購入者の安心)
メルペイ選択時の返金・与信の挙動はカードと異なる点がある。例えば増額返金(請求額超え)の不可や、残高/枠確保と解放のタイミング差がFAQで明示され、例外処理のガイドが提供されている。ルールの事前明確化は、売り手のオペミス防止・CS負荷低減に寄与する。
売り手(事業者)への影響と実務アクション
期待できる効果
1、到達面の拡張:Amazon Pay導入済みの自社ECで、メルカリ経済圏の可処分資金(売上金・ポイント)を取り込める。特に低〜中価格帯/頻回購買/趣味・推し活/サプライ品などは「売って得た残高で買う」心理と親和性が高く、初回・再購入の転換点になり得る。
2、モバイルCVRの底上げ:AmazonアカウントUI×メルペイの支払い嗜好の組み合わせは、フォーム入力ストレスの低減と“いつもの支払い”選好の受け皿となる。
導入・運用での注意(SOP観点)
1、支払い方式の掲示:ヘッダーやCheckout付近に「Amazon Payでメルペイ使えます」を明示し、選択率を高める。非対応ケース(定期購入など)はFAQで先回り案内。
2、返金フローの分岐:請求額超の増額返金は不可(発生時はTransactionAmountExceeded)。差額が生じる返品・交換時は別手段の返金(例:ギフト券・銀行送金等)をSOPに定義。与信・解放の時点差も財務・在庫連携に反映する。
3、計測・検証:ダッシュボードに「メルペイ選択率/メソッド別CVR/返品・取消率」を追加し、カード vs メルペイでKPI比較。新規・再購入・客単価の差をA/Bで検証する。
クイックチェックリスト
UI:PC/スマホでAmazon Payパネル内にメルペイが出るか、文言とロゴの露出位置は適切か。
FAQ:定期購入は非対応等の例外、返金ポリシー、あと払い注意点を明記。
SOP:増額返金NG時の代替返金ルートと承認フローを整備。財務側は手段×解放時点での照合作表を更新。
販促:メルペイ利用者向けに送料相殺/即時値引きなどの専用オファーを設計し、SNSとLPで周知。
リスク管理:あと払いの取消・返品時の在庫引当と資金反映のタイムラグを想定し、自動化ルールの閾値を見直す。
※ 本稿の記述は公開情報に基づく筆者の解釈・推論であり、個人の見解に限られます。実装・運用に当たっては各公式ドキュメントの最新情報をご確認ください。